3.2.1 ダイバーの安全性
減圧モデルは理論上のものであり、実際のダイバーの体をモニタリングするもの
ではないため、減圧症の完全な予防を保証できる減圧モデルは存在しません。潜
水がコンスタントで頻繁なものになると、人体は減圧にある程度順応するという
実験結果が出ています。コンスタントに潜水を行い、重大なリスクを負う覚悟の
あるダイバーには、 2 種類の個人調整設定(P-1 と P-2)があります。
注意:実際の潜水の個人調整設定と高度調整設定は、常に潜水計画と同じもの
を使用してください。個人調整設定を計画した設定値より上げる、また同様に高
度設定を上げることは、より深くより長い減圧時間につながり、それにより必要
なガス量が増える可能性があります。潜水計画を立てた後で、個人調整設定を変
更すると、水中で呼吸ガス不足に陥る危険性があります。
3.3 高度設定の選択
この設定では、与えられた高度の範囲で自動的に減圧計算を調整します。この
設定は、ダイブ設定 »パラメータ » 高度 にて行え、次の 3 つの範囲から選択
できます。
• 0~300 m(0~980 ft)(デフォルト)
• 300~1500 m(980~4900 ft)
• 1500~3000 m(4900~9800 ft)
結果として、減圧停止不要限界は著しく減少します。
高地では海面と比べて気圧が低くなります。高地への移動後は、移動前の高度
での平衡状態と比べて過剰な窒素が体内に蓄えられています。この「過剰」な
窒素は時間をかけて徐々に体外に排出され、平衡状態に戻ります。新たな高度
に体を慣れさせるために、潜水前に少なくとも3時間は休息をとることをおす
すめします。
高所潜水を行う前に、ダイブコンピュータが高度を正確に計算できるように高度
設定を調整する必要があります。ダイブコンピュータの数理モデルが許可する窒
素最大分圧は、低気圧に従って減少します。
警告:高地への移動は体内に蓄積された窒素の均衡に一時的な変化をもたら
すことがあります。そのため、高所での潜水前には体を高度に順応させること
をお勧めします。
警告:高度調整は正しく設定してください!海抜 300 m(1000 ft)を超える高
所潜水では、ダイブコンピュータが減圧状況を計算するには、高度設定が正しく
選択されている必要があります。ダイブコンピュータは、海抜 3000 m(10000
ft)以上での使用を想定していません。不正確な高度設定や最大高度以上の場所
での潜水は、誤ったダイブデータとプランニングデータの原因となります。
4 ガス
4.1 圧縮空気
このデバイスは、圧縮空気と一緒に使用することをお勧めします。圧縮空気の供
給は、EU 規格 EN 12021:2014(呼吸器用圧縮ガスの要件)に規定されている圧
縮空気の品質基準を満たしている必要があります。
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