耐磁性
磁気現象は紀元前600年代のギリシアで最初に観測されました。磁石を
表すマグネットという言葉は、天然の磁鉄鋼Fe
コのマグネイサ地方で発見されたことに由来します。では、実際に「耐
磁性」とはどのような意味なのでしょうか。現在の基準では、通常の機械
式時計が4,800A/m(アンペアメーター)の磁場に置かれても動き続け、1
日に30秒以上の誤差が生じない時計を「耐磁時計」と呼んでいます。
ボール ウォッチのコレクションの中では、この基準をさらに上回るモデル
もラインアップされており、エンジニアハイドロカーボン シリーズで
は12,000A/m、そして他シリーズからは80,000A/mをも超える超耐磁性
能を備えたモデルも発売されております。
自然界の磁気が作り出す磁場の力は非常に小さく、機械式時計の精度
に影響するほどではありません。しかし人工的な磁場はそのようなわけに
はいきません。その危険は日常生活のさまざまな場面に潜んでおり、ス
ピーカー、オーディオ機器、テレビ、ラジオなどが作る磁場は無視できま
せん。身近な製品にも小型の電気モーターが数限りなく組み込まれて
います。自動車、携帯電話(永久磁石を使用)、冷蔵庫や各種の保管倉
の扉、電車にもそれは存在します。工作機器やシンクロモーター、発電
機や誘電器に流れる直流電気も同じです。さらに磁気は医療研究の場
面でも活躍しています。こうした物にわずかに接触しただけでも機械式
時計は磁気を帯びてしまいます。
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(黒色酸化鉄)がトル
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4
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ボール ウォッチの「エンジニア ハイドロカーボン」、「エンジニア マスター Ⅱ」
と「エンジニアⅡ」 シリーズの自動巻モデルのケースには、腐食にきわめて
強いステンレススティールが用いられ、ムーブメントは軟鉄製の中蓋、中枠お
よびベース文字盤から成る特別のインナー・ケースにしっかりと包まれて
います。この画期的なスティール合金は、インナー・ケースの形状によっ
て性質が強化され、磁気が内部のムーブメントに達するのを防ぎ、精度
に及ぼす影響を遮断します。
ボールの耐磁構造ケース
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