サドルの位置をわずかに変えただけでも、発揮される性能と乗り味に大きな影
響を及ぼす可能性があります。最も合ったサドルの位置を探すには、一度に複数の
調整を行わず、少しずつ確認してください。
警告:サドルを調整した後は、サドルの調整機構が正しく納まり、締め付
けられていることを確認してからライディングを始めてください。サドル
クランプまたはシートポストクランプが緩んでいると、シートポストが破
損する可能性があり、あるいはコントロールを失って転倒するおそれがあ
ります。サドルの調整機構が正しく締め付けられていれば、サドルはどの
方向にも動きません。定期的に点検して、サドルの調整機構が正しく締め
付けられていることを確認してください。
サドルの高さ、角度、前後の位置を入念に調整したにもかかわらず、サドルの
座り心地が良くない場合は、デザインの違うサドルと交換する必要があるかもしれ
ません。人間に体格の違いがあるように、サドルの形状、大きさ、弾力性も製品に
よって異なります。販売店に相談して、体格とライディングスタイルに応じて正し
く調整することで快適に乗れるサドルを選んでください。
警告:調整が不適切なサドルや、骨盤を正しくサポートしていないサドル
での長時間ライディングは、神経や血管の短期的または長期的障害、ある
いはED(勃起不全)の原因にすらなりうるという学説もあります。サドル
によって痛みやしびれ、あるいはその他の不快感が生じた場合は、身体の
訴えに耳を傾けて、販売店にサドルの調整をしてもらうか、あるいは別の
サドルと交換するまでライディングを休止してください。
バイクには、「スレッドレス」(ねじ切りなし)ステムか「クイル」(斜めウ
ス型)ステムのいずれかが使用されています。スレッドレスステムはステアラーチ
ューブの外側に取り付けるタイプ、クイルステムは引き上げボルトによってステア
ラーチューブの内側で固定するタイプです。お客様のバイクのステムがどちらのタ
イプか、よく分からない場合は販売店におたずねください。
スレッドレスステム(図6)の場合は、販売店で
ステムの下にある調整スペーサーを抜いたり、追加
したりすることで、ハンドルバーの高さを変えられ
る場合があります。それができないときは、ライズ
(角度)または長さの異なるステムを入手して、交
換する必要があります。販売店にご相談ください。
この作業には特殊な知識が要求されるため、ご自身
で交換しないでください。
クイルステム(図7)の場合は、販売店にステム
高さの調整を依頼すれば、ハンドルバーの高さをあ
る程度まで変えることができます。
クイルステムのシャフトには、「最小挿入限度」
または「最大引出限度」のマークが刻印されていま
す。このマークがヘッドセットより上に出ない範囲
で調整してください。
C.ハンドルバーの高さと角度
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