イールハブは所定位置に固定されます。締め付け力は、張力調整ナットにより調整
されます。カムレバーを回転させずに張力調整ナットを右に回すと、締め付け力を
上げることができます。カムレバーを回転させずに張力調整ナットを左に回すと、
締め付け力を下げることができます。張力調整ナットは、半回転未満の違いだけで
も締め付け力の安全性に差が生じる可能性があります。
警告:ホイールをしっかりと固定するには、最大のカム作動が必要となり
ます。片手でナットを支え、もう一方の手で(ウイングナットと同じよう
に)レバーを回すだけでは、できるだけ堅く締め付けたとしても、カム作
動ホイールをドロップアウトに安全に固定できません。本セクションの19
ページに記載の最初の「警告」も参照してください。
b. カム・カップ機構(図8b)を調整する
フロントホイールに採用されているカム・カップ機構はご利用のバイクに合う
ように、お買い上げの販売店によって正しく調整が行われているはずです。販売店
で6ヶ月ごとに調整状態の点検をしてもらってください。カム・カップ採用フロン
トホイールは、販売店によって調整済みのバイク以外で使用しないでください。
警告:ご利用のバイクがハブブレーキ(リアコースターブレーキ、フロン
トドラム、リアドラム、バンドブレーキ、ローラーブレーキなど)を搭載
している場合、もしくはギアのリアハブを内蔵している場合は、ご自身で
ホイールの取り外しをしないでください。ハブブレーキや内蔵ギアハブの
取り外しと再取り付けには、通常、専門知識が必要になります。取り外し
や組み立てが正しくないと、ブレーキやギアの故障につながり、コントロ
ールを失って転倒するおそれがあります。
注意:ご利用のバイクがディスクブレーキを搭載している場合、ローター
やキャリパーに触れる際には注意が必要です。ディスクローターは先がと
がっており、ローターとキャリパーはどちらも使用中に高温になります。
a. ディスクブレーキまたはリムブレーキを取り外す(フロントホイール)
(1) ご利用のバイクがリムブレーキを搭載している場合は、ブレーキのクイック
リリース機構を解除するとタイヤとブレーキシューとのすき間が開きます(セクシ
ョン4.Cの図11から15までを参照)。
(2) ご利用のバイクがカム作動機構のフロントホイール保持方式を採用している
場合は、カムレバーをロック位置(閉位置)から開位置に動かしてください(図
8a、8b)。スルーボルトもしくはボルト締め機構のフロントホイール保持方式を
採用している場合は、適切なレンチ、ロックキー、一体型レバーなどを使用して、
左に数回転させて留め具を緩めてください。
(3) ご利用のフロントフォークがクリップオン型の保持補助装置を採用している
場合は、装置を解除し、ステップ(4)に進んでください。フロントフォークが
一体型の保持補助装置および従来型のカム作動機構(図8a)を採用している場合
は、ドロップアウトからホイールを取り外せるように張力調整ナットを緩めてくだ
さい。フロントホイールがカム・カップ機構を採用している場合は、ホイールを取
り外し、カップおよびカムレバーを一緒に押さえてください(図8b)。カム・カ
ップ機構vの場合、どのパーツも回転させる必要はありません。
(4) フロントフォークからホイールを外す際に、手のひらでホイールの上部を軽
くたたく必要がある場合があります。
3.ホイールの取り付けと取り外し
20