Blackmagic UltraScopeの使用
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ベク トルスコー プ表示
ベクトルスコープ表示
ベクトルスコープ表示では、 ビデオ信号の色をベクトルビューで表示できます。 スコープ上のカラーボックスを参照にし
て、 カラーバーのビデオレベルを確認できます。 確認に必要な手順は、 各作業環境で使用されているカラーバーテス
ト信号の基準に応じて、 75%または100%カラーバーを選択するだけです !
ベクトルスコープで不正レベルをチェックできると考えられている場合がありますが、 それは正しくありません。 不正カ
ラーのチェックは、 ベクトルスコープではなく、 パレード表示をRGBに設定して行います。 不正レベルのチェックにベク
トルスコープを使用できない理由は、 不正レベルの確認にはクロマ/ルミナンスの両方の値が必要であるためです。
例えば、 映像内のホワイト/ブラックポイントに近い色は、 中間色ほどサチュレーションを上げることができません。
ベクトルスコープにはカラーのみが表示され、 ルミナンス値は表示されないため、 不正カラーのチェックには使用でき
ません。
ベクトルスコープ表示は、 クロマレベルの調整が必要な古いアナログビデオテープのカラーレベルのチェックに最適な
ツールです。 ビデオテープのカラーバーを再生し、 クロマおよび色相設定を調整して、 ビデオのカラーをスコープ上の
カラーボックスに合わせてください。
ベクトルスコープ表示は、 ビデオのホワイトバランスが正しいかどうか、 また、 全体の色に偏りがあるかどうかを確認
できるので、 カラーグレーディングにも最適です。
ビデオの色に偏りがある場合は、 ブラックが中心からずれます。 中心からのずれの度合いは、 映像の色の偏りの程度
を表しています。 この機能を使用して、 ベクトルスコープ表示では、 色の偏りを防ぎ、 正しいホワイトバランスを得るこ
とができます。
ベクトルスコープ表示を使用すれば、 誤ってブラック/ホワイトに影響を与えることなく、 映像内の色のサチュレーショ
ンを限界まで上げることができます。 カラーバランスはRGBパレード表示とベクトルスコープ表示の両方でモニタリン
グが可能ですが、 ベクトルスコープ表示の方がカラーバランスの問題を確認しやすいことがあります。
特に顔など、 肌のトーンのカラーコレクションを行う際は、 ベクトルスコープ上の10時く らいの線に沿って、 温かい
カラーサチュレーションを保つと良いでしょう。 これは、 「フレッシュトーン ・ ライン」 と呼ばれ、 皮膚の下にある血液の
色に基づいたラインです。 したがって、 フレッシュトーン ・ ラインは、 あらゆる肌の色に適用することができ、 出演者の
肌のトーンを自然な色に見せることができます。